出場チーム紹介

女子試合結果

最終順位

1位 ブラジル
2位 アメリカ
3位 日本
4位 ロシア
5位 タイ
6位 ドミニカ共和国

個人賞

ウィングスパイカー賞第1位 迫田さおり
ベストセッター賞 中道瞳
ベストリベロ賞 佐藤あり紗

2013.11.17 日本×ブラジル

チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
3勝2敗
0 27 14 18 - -
ブラジル
5勝
3 29 25 25 - -

【第1セットのスタメン】

新鍋 理沙 新鍋 理沙 岩坂 名奈 岩坂 名奈 中道 瞳 中道 瞳
石井 優希 石井 優希 迫田 さおり 迫田 さおり 木村 沙織 木村 沙織 佐藤 あり紗 佐藤 あり紗
(リベロ)

【戦評】

ワールドグランドチャンピオンズカップ2013(グラチャンバレー2013)、女子大会最終日の5日目(女子東京大会3日目)。昨日(16日)のドミニカ共和国戦での勝利でメダルが確定した日本が対戦したのは、FIVB世界ランキング1位でロンドンオリンピック金メダルのブラジル(南米選手権覇者)。日本は昨日と同じスタメンでこの試合に臨んだ。今日もこれまでと同様にコート上にウィングスパイカーが4人入る新戦術で臨んだものの、ブラジルの牙城を崩すことはできずストレートで敗れた。日本は大会通算成績3勝2敗で終了し、ブラジル、アメリカに次いでの銅メダル獲得(2001年第3回大会以来)となった。

第1セット、ブラジルのナタリア・ペレイラに先取点を決められた日本だが、直後に新鍋理沙がレフトから得点を決めた。続けて石井優希がレフトから、岩坂名奈がブロック、さらに中道瞳がサービスエースとなどと活躍し6連続得点を挙げると、6-1とリードを作った。その後、ブラジルはフェルナンダ・ロドリゲスらが得点を挙げたが、迫田さおりがブロックを決めて8-4、1回目のテクニカルタイムアウトを日本のリードで迎えた。その後の日本は、得点するものの連続得点は奪えなかったが、11-9から新鍋がスパイクで連続得点。さらに今大会好調の石井が15、16点目を奪い、16-12として2回目のテクニカルタイムアウトに突入した。テクニカルタイムアウト明けのプレーで、ブラジルのフェルナンダにレフトからスパイクを打たれたが、これを日本がブロック。たまらずブラジルは2回目のタイムアウトを要求した。ここを境にブラジルに連続得点を決められ、徐々に点差が詰まっていった。18-18となったところで、日本は2回目のタイムアウトを取った。その後は、サイドアウトを奪い合う展開となったが、22-22としたところで石井が値千金の得点。続くプレーで相手のミスから得点し、先に日本がセットポイントを握った。しかしここで決めることはできず。逆にブラジルはシェイラ・カストロやファビアナ・クラウジノらが着実に得点。ブラジルにセットポイントを握られたが、またも石井の得点で凌ぐと日本が再度セットポイントを握った。しかしこれを決めきれず。最後はその石井のアタックがアウトとなり、27-29で第1セットを奪われた。
第2セット、岩坂のクイックで先取点を奪った日本だが、連続ミスとブラジルの連続ブロックで1-4とされ、1回目のタイムアウトを取った。その後、日本は佐藤あり紗と中道を中心に得意のディフェンスで粘ってリズムを作ると、石井、木村らの活躍で3連続得点。6-8と僅差で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えたものの、タイムアウト明けにブラジルの連続ブロックを受けた。ここで日本は2回目のタイムアウトを取ったものの、それでも流れを変えることはできず。5連続失点を喫し6-12と大きくリードを広げられてしまった。その後日本は、石井のサーブを足がかりに3連続得点など何とか点差を詰めて、2回目のテクニカルタイムアウトは11-16で迎えた。タイムアウト明け、ブラジルにフェルナンダを軸に連続得点を許すと、日本はあまりに痛い7連続失点を喫した。途中出場の近江あかり、大竹里歩らが得点を奪い反撃したが、ブラジルに追い付くには至らず。14-25で第2セットも落とし、この時点で日本の金メダル獲得の可能性はなくなった。
第3セット、日本は江畑幸子、長岡望悠、近江、大竹をスタートから投入。江畑、長岡、近江が早速得点したものの、ブラジルは序盤に3連続得点。5-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後は両チームがサイドアウトを取り合う展開となったが、9-12から、江畑がスパイクやサービスエースを決めるなどで3連続得点を挙げて同点に追い付いた。しかし、15-15としたところで江畑のスパイクはアウトとなり、ブラジルの1点リードで2回目のテクニカルタイムアウトに突入。その後、連続失点を喫して16-20。ここで眞鍋監督はこのセット2回目のタイムアウトを要求した。その後、江畑が2本のスパイクを決めて会場を盛り上げたものの、最後は日本のアタックがアウトとなり、万事休す。第3セットを18-25でブラジルに奪われ、ストレート負けを喫した。


■グラチャンバレー2013 女子大会最終順位表
1位:ブラジル (勝ち点15/5勝0敗)
2位:アメリカ (勝ち点10/4勝1敗)
3位:日本 (勝ち点9/3勝2敗)
4位:ロシア (勝ち点4/1勝4敗)
5位:タイ (勝ち点4/1勝4敗)
6位: ドミニカ共和国 (勝ち点3/1勝4敗)

■個人賞
ウィングスパイカー賞第1位:迫田さおり選手(日本)
ウィングスパイカー賞第2位:オヌマー・シッティラック選手(タイ)
ベストリベロ賞:佐藤あり紗選手(日本)
ベストオポジット賞:アルタグラシア・マンブル選手(ドミニカ共和国)
ベストセッター賞:中道 瞳選手(日本)
ミドルブロッカー賞第1位:ユリア・モロゾワ選手(ロシア)
ミドルブロッカー賞第2位:プルームジット・ティンカオ選手(タイ)
MVP:ファビアナ・クラウジノ選手(ブラジル)

【コメント】

○眞鍋政義監督


「まず今日(17)のブラジル戦は、やはり第1セットの後半からが勝負だった。世界一のブラジルを相手にすると厳しいなと感じた。このグラチャンバレー2013での5日間は世界一に挑戦ということで、少なくとも表彰台に乗ろうと挑んだが、達成できた。今の段階では満足しているが、試合前のミーティングでは、『こういった大会の最終日にストレートで勝ったら世界一になる』というチャンスは、おそらく何十年もなかったと思う。それを経験できただけでも、1ステップ成長できたのではと思う」


○キャプテン・木村沙織主将


「今日の試合は、すべては第1セットだったなと思う。今シーズン、『世界一を知る』というテーマで始まって、集大成であるグラチャンバレー2013で最低目標である表彰台に登れたことはよかった。今大会を戦って感じたことは、この大会から新戦術で戦ってみて、いいところと課題になっているところが見えてきたということ。また来シーズンは世界選手権もあるので、それに向けて今大会の反省をしっかりして次に繋げたいと思う」


○江畑幸子選手


「金メダルがかかった大事な試合で、勝つことができなくて悔しかった。改めてブラジルは本当に強いチームだなと感じた。ケガであまり試合に出られなかったが、外から試合を見ていて、ユニフォームを着て、日の丸を背負うということを再び感じる大会となった」


○新鍋理沙選手


「第1セットはいいスタートを切れたと思う。終盤、リードしていた場面から逆転されてセットを取られたというのはもったいなかった。やはりブラジルは本当に強いなと改めて思った。グラチャンを通して、新しい戦術でやってきて、うまくいった部分もあるが、まだ課題も多い。自分自身に関しても今大会は悔いの残る大会になったので、また来シーズン、チームとしても個人としても頑張りたい」


○佐藤あり紗選手 ★ベストリベロ賞受賞


「ブラジルに負けて悔しかった。相手のレシーブだったり、繋ぎだったり、最後までボールを追いかける姿勢だったり、そういうところをこれから見習っていきたいと思う。ブラジルは、世界一のチームなので、常に頭に入れてこれからも練習していきたい。ベストリベロ賞は、監督とスタッフが私にたくさんの経験をさせてくれたから、いただけた賞だと思う。応援してくださる方々がたくさんいることがすごく励みになって、この賞が取れたと思う。とても嬉しい」


○中道 瞳選手 ★ベストセッター賞


「スタートはすごくよくて、出だしも自分たちのペースで進めたが、あれだけリードして勝ち切れなったというのは、まだまだ自分たちの力不足なのかなと身にしみて感じた。やはり世界一になるためにはアメリカやブラジルにしっかり勝たないと、道は開けない。これからもっと練習していいチームになりたいと思う。この約1ヵ月の練習で、新戦術で戦うのは不安だったが、最低限の(目標である)表彰台に乗れたということは自分たちの自信になったし、課題克服に向けてまたみんなで頑張りたいと思う」


○迫田さおり選手 ★ベストアウトサイドスパイカー賞1位


「今日の試合は金メダルをかけた試合で、やはり結果的には負けてしまったことはとても悔しい。この1戦で力を出せないと世界一にはなれない。本当にこれから、もっともっと努力していかないといけないと思った。今回新戦術で戦い、自分は新しい動きでコートに立たせてもらったが、ゲームをやっていく中で、調子の波が激しかったので、そこはしっかりしていかなければと思う。このグラチャンで経験させてもらったことを活かして張りたいと思う」


○長岡望悠選手


「今日は世界一の相手と世界一をかけて戦うという試合だったが、負けてしまったことはすごく悔しい。約1ヵ月やってきた新戦術の攻撃や戦いが、王者ブラジルに機能していた部分もあったので、そこをもっともっと詰めていければ王者のブラジル(が相手)でも戦っていけるのではと思った。グラチャンバレー2013を通して、今大会はいろいろな場面で出場させてもらったが、世界を相手にいろいろな経験をさせてもらい、通用したことや必要だと思うことが少しずつ見えてきたので、これから新戦術を詰めていくにあたっても、もっともっと練習していきたいと思う」


○石井優希選手


「世界王者のブラジルと金メダルをかけた試合ができるということで、すごく楽しみにして試合に臨んだが、ストレートで負けてとても悔しい。やはりブラジルに勝つには、もっとディグ(スパイクレシーブ)を上げたり、サーブで攻めたり、(ブラジルを)上回らないといけないと感じた。1ヵ月半しか新戦術を練習していない中、銅メダルを取れたのはプラスに考えていいと思う。機能していない部分を、次のタイミングで練習したい」


○岩坂名奈選手


「今日の試合では、すごく悔しい負け方をしてしまった。たくさん課題も出たので、また次に繋げられるようにしっかり自分自身も頑張りたいと思う。今大会は私だけでなく、ほかのミドルブロッカーの選手もすごくいろいろな思いを持って臨んだ大会だった。世界に通用するためには個人としてもっともっと頑張らないといけないなと思った。この思いを次に活かせるようにしたい」

TOPへ


2013.11.16 日本×ドミニカ共和国

チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
3勝1敗
3 25 25 29 - -
ドミニカ共和国
1勝3敗
0 17 19 27 - -

【第1セットのスタメン】

新鍋 理沙 新鍋 理沙 岩坂 名奈 岩坂 名奈 中道 瞳 中道 瞳
石井 優希 石井 優希 迫田 さおり 迫田 さおり 木村 沙織 木村 沙織 佐藤 あり紗 佐藤 あり紗
(リベロ)

【戦評】

ワールドグランドチャンピオンズカップ2013(グラチャンバレー2013)、大会4 日目(女子東京大会2日目)。FIVB世界ランキング3位の日本が対戦したのは、同ランキング8位のドミニカ共和国(ワイルドカード[推薦国])。日本は昨日と同じスタメンでこの試合に臨んだ。大会初戦から導入した、コート上にウィングスパイカーが4人入る新戦術で臨むと、ストレートでドミニカ共和国に勝利、大会通算成績を3勝1敗とした。女子大会最終日の明日(17日)は18時00分より、同ランキング1位でロンドンオリンピック金メダルのブラジル(南米選手権覇者)と対戦。日本がストレートで勝利した場合、またはセットカウント3-1で勝利し、なおかつ得点率でブラジルを上回った場合、日本はグラチャンバレー史上初の金メダル獲得となる。

第1セット、新鍋理沙のスパイクで先取点を挙げた日本は、迫田さおり、石井優希、木村沙織が着実に得点を奪うと、8-5で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後も、木村のサーブを足がかりに連続得点。新鍋と石井の技ありアタックも決まり、16-8で2回目のテクニカルタイムアウトへ。その後21-12と日本が大きくリードを広げると、ドミニカ共和国は身長2mのブライエリン・マルティネスを投入。カルラ・エチェニケのサーブから、5連続得点を許した。しかし、日本は迫田のバックアタック、木村のサービスエースなどでセットポイントを握ると、途中出場した長岡望悠がライトからフェイントを決め、25-17で第1セットを奪った。
続く第2セット、迫田のバックアタックでいいスタートを切ると、木村がサービスエースとアタックで連続得点を奪い、8-5として1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、ドミニカ共和国のマルティネス、ベタニア・デラクルスの活躍で13-12と1点差まで詰められたものの、迫田、石井、新鍋が着実に得点。16-13と3点差をつけて2回目のテクニカルタイムアウトに突入した。その後も日本はサイド攻撃から加点。20-17の場面では、身長159cmの中道瞳が身長2mのマルティネスをブロックするプレーも飛び出した。勢いそのままの日本がセットポイントを握ると、最後は石井がブロックアウトを決め、25-19で2セットを連取した。
第3セット、日本は4-2と先手を取ったが、その後4連続失点を喫した。すぐに2点返したものの、6-8とドミニカ共和国のリードで1回目のテクニカルタイムアウトへ。その後も流れを切ることができず、結局5連続失点を喫して6-11と点差を広げられてしまった。しかし、石井のアタックとサーブを足がかりに点差を詰めると、岩坂と近江のブロック、そして木村のスパイクで14-14と同点に追い付いた。さらに木村のサービスエースと迫田のバックアタックで16-14とし、2回目のテクニカルタイムアウトを日本のリードで迎えた。しかし、ドミニカ共和国の集中も切れない。ヨンカイラ・ペーニャ、アルタグラシア・マンブルに連続得点を奪われると、18-20とドミニカ共和国に先に20点に到達された。日本は迫田のバックアタックで得点を重ねたが、なかなか追いつけない。21-23としたところで、日本は石井に変えて江畑幸子を投入。直後のプレーで22-24とセットポイントを握られたが、岩坂名奈のサービスエースなどで同点に。そこからは互いに点を奪う展開となった。26-27の場面で、ドミニカ共和国のセットポイントを迫田のバックアタックで凌いだ日本は、木村がレフトから立て続けに得点。29-27で第3セットを奪った。
この結果、日本はドミニカ共和国にストレート勝ちを収めた。11月16日の全試合終了時点で3位以内・メダル獲得が確定した日本は、明日ブラジルと金メダル獲得をかけて戦う。


■グラチャンバレー2013 女子大会順位表  (※11月16日終了時点)
1位:ブラジル(勝ち点12/4勝0敗)
2位:日本(勝ち点9/3勝1敗)
3位:アメリカ(勝ち点7/3勝1敗)
4位:ロシア(勝ち点4/1勝3敗)
5位:ドミニカ共和国(勝ち点3/1勝3敗)
6位:タイ(勝ち点1/0勝4敗)

※日本の金メダル獲得の条件
明日(11月17日)のブラジル戦で○3-0で勝利→優勝
○3-1で勝利→得点率の優劣で優勝または準優勝

【コメント】

○眞鍋政義監督


「今日はまず、サーブとディフェンスが思ったような展開になった。ドミニカ共和国のスパイクをブロックするのは非常に厳しいと思っていたので、そういう意味ではブロックとディフェンスの関係がうまくいったなと思う。明日(17)の対戦相手は、世界一のブラジル。簡単に勝てる相手ではないが、世界一のチームを相手に、新しい戦術がどこまで通用するかというのが明日の試合のテーマかなと思う。しかし、試合なので、勝ちにこだわりたい」


○キャプテン・木村沙織選手


「今日の試合は、第1セットも第2セットもしっかりサーブで攻めて、相手の強打をレシーブし、切り返しで点数を取るというのがうまくはまっていたと思う。それに全員がバランスよく点数を取っていた。しっかり勝ててよかった。明日の対戦相手のブラジルはミスが少ないチームだが、今季の集大成としてやってきたことをすべて出し切りたい。最後は気持ちだと思うので、選手・スタッフ全員で一丸となり、『絶対に勝つ』という気持ちを全員が思ってしっかり頑張りたい」


○新鍋理沙選手


「今日は出だしから自分たちのペースで試合ができていた。第1セットと第2セットは、相手が勢いに乗る前にできたと思う。第3セットは決められる場面が多くなってしまったが、最後まで全員が気持ちを切らさずに戦えたことはよかった。明日の相手はすごく強いが、今日みたいにいいスタートができるようにしていきたい。何回でも拾って得点できるようにしたい」


○石井優希選手


「相手がリズムに乗る前にいいリズムで戦えたので、第12セットは特によかった。第3セットは相手に先行されたが、最後まで粘って勝てたのは大きいと思う。明日はスタートからどんどん攻めていって、先に8点先行することと、相手に点数を取られても絶対に1本で切って、流れを掴まれないようにしたい。それと最後の1試合、ファンの方もたくさん会場に来てくださると思うので、その声援も力にしたい。チームとファンが一つになって勝利で終われるように頑張りたい」

TOPへ


2013.11.15 日本×タイ

チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
2勝1敗
3 25 29 25 - -
タイ
3敗
0 20 27 22 - -

【第1セットのスタメン】

新鍋 理沙 新鍋 理沙 岩坂 名奈 岩坂 名奈 中道 瞳 中道 瞳
石井 優希 石井 優希 迫田 さおり 迫田 さおり 木村 沙織 木村 沙織 佐藤 あり紗 佐藤 あり紗
(リベロ)

【戦評】

ワールドグランドチャンピオンズカップ2013(グラチャンバレー2013)、大会3日目(女子東京大会1日目)。FIVB世界ランキング3位の日本が対戦したのは、第17回アジア選手権大会の決勝で日本を破り優勝した、同ランキング12位のタイ。日本は13日のアメリカ戦と同じスタメンで試合開始。今大会初戦から導入した、コート上にウィングスパイカーが4人入る新戦術で臨んだ日本。要所で連続得点を挙げてリードを作るとストレートで勝利し、大会通算成績を2勝1敗とした。次戦は11月16日19時00分より、同ランキング8位のドミニカ共和国(ワイルドカード[推薦国])と第4戦を戦う。

第1セット、先制点を取られた日本は木村沙織のフェイントで初得点。その後は拮抗した展開となったが、7-7の場面で迫田さおりがバックアタックを決めると、日本が先に8点目を奪った。テクニカルタイムアウト明け、またも迫田のバックアタックで9点目を挙げると、日本はリズムに乗って13-9と4点のリードを奪った。しかし15-11としたところから、タイのプルームジット・ティンカオに連続得点を許すなど5連続失点。2回目のテクニカルタイムアウトをタイのリードで折り返した。その後、またも迫田の得点で同点とすると、試合は拮抗した展開となった。しかし、19-19の場面で長いラリーを木村がフェイントで決めると、流れは日本に。さらに石井優希と新鍋理沙が得点を奪ってセットポイントに到達すると、最後はタイのスパイクがアウトとなり25-20、日本がまず第1セットを奪った。
第2セット、日本は序盤から石井、木村、新鍋がキレのあるスパイクで得点を挙げたが、タイはタパパイプーン・シャイシーを中心に加点。7-7の同点にされると、ヌットサラ・トムコムにサービスエースを決められて、7-8とタイのリードで1回目のテクニカルタイムアウトへ。その後、9-9から5連続失点を喫し、9-14とタイに大きく引き離されてしまった。ここで日本が2度目のタイムアウトを取ると、その直後のプレーで岩坂名奈のBクイックやサービスエースなどで連続得点を挙げると、13-16と差を詰めて2回目のテクニカルタイムアウトへ。その後はタイがリードをキープしたままサイドアウトを奪い合う展開が続いたが、17-19から木村がブロックとサービスエースを決めて同点とした。このまま流れに乗りたい日本だったが、20-19から3連続失点。23-24と先にセットポイントを握られてしまった。ここを新鍋の得点で凌ぐと、逆に25-24と日本がセットポイントを握った。しかし、タイも集中力が切れない。途中出場のマイカ・クントーンやオヌマー・シッティラックに連続得点を奪われると、またもタイにセットポイントを握られた。だが、日本はここで木村が力を発揮。レフトからクロススパイクを決めると、さらにダイレクトアタックを決めてセットポイント。そこはタイに凌がれたものの、最後は迫田と木村が決めて29-27とし、苦しい展開だった第2セットをものにした。
第3セット、立ち上がりは拮抗した展開となった。日本は3-5から石井と迫田の活躍で5連続得点を挙げることに成功。先に8点を奪って1回目のテクニカルタイムアウトに突入した。その後、タイに点差を縮められたものの、日本はリードを保ったまま16-14で2回目のテクニカルタイムアウトへ。迫田の2本のアタックなどで20-16とリードすると、その後は互いに点を奪い合い、24-21と日本がマッチポイントを握った。その直後のプレーでは決められなかったものの、最後はこの試合でプレーヤー・オブ・ザ・マッチを受賞した木村が、クロススパイクを決めて25-22で第3セットを奪取した。
この結果、日本がタイにストレート勝ちを収め、第17回アジア選手権大会決勝のリベンジを果たした。

■グラチャンバレー2013 女子大会順位表(※11月15日終了時点)
1位:ブラジル(勝点9/3勝0敗)
2位:日本(勝点6/2勝1敗)
3位:アメリカ(勝点5/2勝1敗)
4位:ロシア(勝点4/1勝2敗)
5位:ドミニカ共和国(勝点3/1勝2敗)
6位:タイ(勝点0/0勝3敗)

【コメント】

○眞鍋政義監督


「第17回アジア選手権大会決勝で負けたことの反省もあり、今日ストレートで勝ててホッとしている。勝因はディフェンス。非常に良かったと思う。同大会ではタイのレシーブが良く、拾い負けした。今日はサーブで少し崩して、ブロックとレシーブの関係がしっかりしていた。特にディフェンスの中道(瞳選手)、佐藤(あり紗選手)が上げだしてから、周りの選手も相乗効果で上がったと思う」


○キャプテン・木村沙織選手


「今日戦ったタイは、第17回アジア選手権大会で完敗していたので、日本のファンの皆さんの前でリベンジできてよかった。明日(16)のドミニカ共和国戦は苦しい試合になると思う。4年前のグラチャンバレー2009では、ドミニカ共和国戦で負けてメダルを逃している。今回は同じことにならないように、みんなで『全員バレー』で頑張りたい」


○中道 瞳選手


「新戦術で戦っていく中で、今日も連携ミスやコンビミスなど、自分たちの簡単なミスがまだまだたくさんあった。ただ試合は明日もあって、ドミニカ共和国という強い相手と当たるので、試合をしながら修正するところをしっかりして、『全員バレー』で頑張りたいと思う」


○迫田さおり選手


「前回の対戦では負けていたので、今日はリベンジしよう、頑張ろうという気持ちで臨み、勝てて本当によかった。試合はまだ2試合残っているので、選手とスタッフでいろいろ確認しながら、コミュニケーションをとりながら、1点でも多く取って日本の(ファンの)方々に喜んでもらえるように頑張りたいと思う」

TOPへ


2013.11.13 日本×アメリカ

チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
1勝1敗
1 19 19 25 21 -
アメリカ
1勝1敗
3 25 25 19 25 -

【第1セットのスタメン】

新鍋 理沙 新鍋 理沙 大竹 里歩 大竹 里歩 中道 瞳 中道 瞳
石井 優希 石井 優希 迫田 さおり 迫田 さおり 木村 沙織 木村 沙織 佐藤 あり紗 佐藤 あり紗
(リベロ)

【戦評】

ワールドグランドチャンピオンズカップ2013(グラチャンバレー2013)女子名古屋大会2日目。FIVB世界ランキング3 位の日本が対戦したのは、北中米選手権覇者で同ランキング2位のアメリカ。日本は昨日と同じスタメンでのスタートとなった。日本はコート上にウィングスパイカーが4人入る新戦術で臨んだものの、セットカウント1-3でアメリカに敗戦。大会通算成績を1勝1敗とした。次戦は舞台を東京体育館(東京都渋谷区)に移し、11月15日19時00分より、アジア選手権覇者で同ランキング12位のタイと第3戦を戦う。

第1セット、日本はアメリカのクリスティン・ヒルデブランドにサーブを集めて崩したものの、連続失点を喫し、最初のテクニカルタイムアウトを6-8で取られてしまった。その後、日本は木村沙織、石井優希が技ありのスパイクを決めて追い付いたが、直後に連続ブロックを浴びて13-16とアメリカのリードで2回目のテクニカルタイムアウトを折り返した。その後、14-18と点差を広げられたところで日本はタイムアウトを取った。さらにその直後、永松幸乃と長岡望悠を2枚代えで投入したが、流れは変わらず。ここから痛い連続失点を喫し、19-25で第1セットを落とした。
第2セット、日本は新鍋理沙に代えて近江あかりを立ち上がりから投入。開始から連続失点を喫したが、中道瞳のサーブをきっかけに3連続得点を挙げた。その後は両チームがサイドアウトを奪い合ったが、8-7で日本が1回目のテクニカルタイムアウトを奪った。その直後、木村のサービスエースや大竹里歩のクイック、さらに石井と近江のスパイクなど、日本は続けていい場面を作った。しかしアメリカの集中力は切れず、7連続失点で逆転されてしまった。何とか巻き返したい日本だったが、流れを手繰り寄せることはできず。19-25で第2セットも落とした。
第3セット、日本は迫田さおりと大竹の位置に長岡と岩坂名奈を入れてスタート。開始直後はサイドアウトを奪い合う展開となったが、3-4から日本は石井と岩坂の得点などで6連続得点を挙げ、5点のリードを奪った。その後も、アメリカの強力なサーブに苦しんだが、詰められたところで長岡が連続得点。続けて近江がスパイクを決めると、16-9と大きくリードして2回目のテクニカルタイムアウトを奪った。日本はその後、アメリカのローレン・ギブマイヤーとケリー・マーフィーの連続得点による猛追を受けたが、長岡、近江、岩坂、佐藤あり紗が活躍。リードを保つと最後は岩坂がブロックを決めて25-19、第3セットをものにした。
第4セットは序盤から拮抗した展開となった。先にリードを作ったのはアメリカ。8-8から、マーフィーに4連続得点を決められて8-12とされた。日本は石井がバックアタックとブロックアウトを決めて点差を詰めたが、12-16とアメリカのリードで2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その直後、日本は木村のレフトからの連続得点、石井のバックアタック、さらにワンポイントブロッカーで入った平井香菜子のブロックで17-19と2点差まで迫った。しかし、追い上げもここまで。第4セットを21-25でアメリカに奪われてしまった。
この結果、日本はセットカウント1-3でアメリカに惜敗し、名古屋大会を1勝1敗で終えた。


■女子順位表  (※11月13日終了時点)
1位:ブラジル (勝点6/2勝0敗)
2位:ドミニカ共和国 (勝点3/1勝1敗/セット率1.333)
3位:ロシア (勝点3/1勝1敗/セット率1.000/得点率1.034)
4位:日本 (勝点3/1勝1敗/セット率1.000/得点率1.022)
5位:アメリカ (勝点3/1勝1敗/セット率0.750)
6位:タイ (勝点0/0勝2敗)

【コメント】

○眞鍋政義監督


「今日はFIVB世界ランキング2位のアメリカとの試合。まずアメリカの組織的なブロックにやられたのと、連続失点が多かったなという印象。(新戦術に関して)今日は、昨日(のロシア戦)より少しサイドへのトスのスピードを速くした。それは、昨日と同じスピードのままだとアメリカのブロックシステムでは2枚、3(のブロックに)付かれてしまうため。しかし、そうしたことで序盤はトスとのコンビが合わず、厳しい戦いとなった。それでも、世界一のブロックシステムを持つアメリカと対戦したことで、課題は明確になった」


○キャプテン・木村沙織選手


「今日の試合は、自分たちがミーティングで話していた通り、サーブで崩せていたと思う。ただ、相手が苦し紛れで打っているボールが落ちて相手の得点になったことがすごく多かったので、もったいなかった。明後日(15)の試合で対戦するタイには、第17回アジア女子選手権大会で負けているので、リベンジしたいと思う」


○石井優希選手


「今日は、サーブではしっかり相手を崩せていたと思う。しかし、先に8点先行できず、苦しい展開になるという場面が多かった。先に8点取れるようにしていきたい。ただ、ラリーが続いたとき、最終的に日本の得点になった場面が多かったので、そこは良かったと思う。明後日からの3連戦、日本らしい繋ぎのバレーをして、全員で攻めて8点先行できるように頑張りたい」


○大竹里歩選手


「試合の出だしで、アメリカの攻撃のスピードにブロックもディフェンスもついていけなくて、チームの中でうまくリズムを作れなかった。後半、ブロックが機能しはじめてからは、日本のバレーができるようになったと思う。それをもっと継続していければよかった。東京での3連戦、今日も途中交替したメンバーが活躍したが、全員でカバーすることが日本のバレーだと思うので、みんなで一致団結して戦いたい」

TOPへ


2013.11.12 日本×ロシア

チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
1勝
3 25 26 25 26 -
ロシア
1敗
1 20 28 16 24 -

【第1セットのスタメン】

新鍋 理沙 新鍋 理沙 大竹 里歩 大竹 里歩 中道 瞳 中道 瞳
石井 優希 石井 優希 迫田 さおり 迫田 さおり 木村 沙織 木村 沙織 佐藤 あり紗 佐藤 あり紗
(リベロ)

【戦評】

ついに開幕したワールドグランドチャンピオンズカップ2013(グラチャンバレー2013)女子名古屋大会。FIVB世界ランキング3位の日本が初戦で対戦したのは、ヨーロッパ選手権覇者で同ランキング6位のロシア。日本はミドルブロッカー・大竹里歩の対角に迫田さおりを入れ、コート上にウィングスパイカーが4人いるという新戦術で臨んだ。日本はセットカウント3-1でロシアに勝利し、初戦を白星で飾った。次戦は11月13日19時00分より、北中米選手権王者で同ランキング2位のアメリカと第2戦を戦う。

第1セット、日本は立ち上がりからサーブでロシアを崩していくと、8-6で1回目のテクニカルタイムアウトを奪った。19歳のナタリア・マリフを中心に得点を挙げるロシアの攻撃を何とか食い止めると、木村沙織、新鍋理沙、石井優希が冷静にブロックアウトを奪い、16-14とリードを保った。2回目のテクニカルタイムアウトの後、日本が木村と迫田のバックアタックなどで3点のリードを奪うと、ロシアはたまらずタイムアウトを取った。セッターを代えて攻撃のリズムを変えたロシアに対しても、日本は集中を切らさずに応戦。さらに石井が技ありのアタックで追加得点を挙げると、最後はピンチサーバーの近江あかりが連続サービスエースを決めた。終始リードを保った日本が25-20で第1セットを奪った。
続く第2セット、ロシアはこのセットから入ったビクトリア・チャプリナが活躍。日本は大竹の連続サービスエースで追い上げを図ったが、5-8で1回目のテクニカルタイムアウトを奪われてしまった。その後、日本は石井、迫田、木村のポイントで点差を詰め、15-15と同点に追い付いた。ところが、高さを活かすロシアに連続得点を許し、20-24とロシアのセットポイントとなってしまった。日本はここから木村のサービスエースや新鍋のアタックによる3得点、さらにワンポイントブロッカー・岩坂名奈がブロックを決めて逆転に成功したが、勢いもここまで。最後は日本の連続ミスで26-28、デュースの末に第2セットをロシアに奪われてしまった。
第3セット、日本は序盤に大竹のクイックやサービスエースで得点を重ねた。その勢いに乗って、新鍋、石井、迫田が得点すると、8-3と5点差をつけて1回目のテクニカルタイムアウトを奪った。タイムアウトの後、新鍋のサーブから9連続得点を挙げた日本。16-3と圧倒して2回目のテクニカルタイムアウトを奪った。ところが、ロシアも途中出場した選手を中心に反撃を開始。6点差までリードを縮められてしまった。しかし、エース・木村の連続得点でロシアの反撃を断ち切り、25-16で第3セットを奪った。
第4セットは序盤から互いにサイドアウトを奪い合う展開となった。日本は2回のテクニカルタイムアウトをいずれも奪ったものの、19-19から4連続失点を喫した。しかし、その流れを迫田のアタックで断ち切ると、さらに4連続得点を挙げて同点に追い付いた。その直後にロシアにセットポイントを握られたものの、石井のクロススパイクや大竹のサービスエース、さらに迫田のブロックと3連続得点を決めて勝負あり。26-24で日本が第4セットを奪った。
この結果、セットカウント3-1でロシアを下した日本。大事な初戦で勝利を挙げた。

【コメント】

○眞鍋政義監督 


「グラチャンバレー2013の初戦はヨーロッパ選手権王者のロシアとの試合。まずセットカウント31で勝ててホッとしている。勝因はサーブ、そしてディフェンスが非常に良かったと思う。(新戦術に関して)従来だとウィングスパイカーが3人のところに、もう1人入れている。今日はうまく機能したと思う」


○キャプテン・木村沙織選手


「今日の初戦は絶対に勝って勢いに乗りたかったので、まず勝ってホッとしている。新戦術に関しては、苦しい場面で必ずバックアタックがあって、迫田さおり選手や石井優希選手がよく切ってくれた。加えて高い相手に対して、何度も(ロシアの)ブロックに当てて自分たちのラリーをしてミスを誘うなど、みんなが粘れたところはよかったと思う」


○迫田さおり選手


「今日は初戦ということでチーム全員、頑張ろうという勢いを持って試合に臨んだ。個人としては、新しい戦術に取り組む初めての試合だったので、試合に入る前は正直緊張したが、思い切りやろうと考えていた。コートの中で戸惑った部分もあったが、何とか勝てて良かったと思う」


○石井優希選手


「今日の初戦では絶対勝って勢いに乗りたいという思いがあったので、思い切ってプレーすることができた。新戦術に関しては、私のポジションではあまり変わったことはなかったので、とりあえず自分の仕事を果たそうという思いでやっていた。先輩たちに助けながら試合を終えることができた」

TOPへ


ページトップに戻る